レイアウトの深い考察

0
     


    演出関連の記事を少しラフにまとめていきます。



    レイアウトについて考えてました。


    カメラが人の目であり、

    ・お客さんが見る目
    ・登場人物が見る目

    と要素を分けてみます。


    お客さんが見る目として、第三者として見るので状況をストレスフリーでいかに把握しやすくするかという点では
    会話なら次のカットに出てくる人物の方向に空間を開けたりするのが基本でした。


    登場人物が見る目としては、カメラが人物の目になり、
    視線心理レイアウトでも書いたように、
    http://blog.yurikamomehouse.com/?eid=116

    基本的に人がものを見るときの目は真ん中で、
    例えば道で知らない人と通りかかるとき、
    その人を見るときは首を振って見るというよりは、自分の視界の左右どちらかの端に居て、
    ちょっと気になったり怪しさを感じるならば
    目線を左右にずらして見たりして素通りすると思います(心理的にガッツリ見ない)。
    (レイアウトなら人物が左右どちらか端寄りに配置されている)

    それが道端じゃなくて普段の会話で友人や知り合いなら、
    目線をずらしてみることはせず首自体を振って目は真ん中で見たりしますね。
    (レイアウトなら人物が中央に配置されている)


    このような人の目線という視点で見れば、
    右上方から物が降ってきた時、まず視界の右端に入ってきて、そして危険を察知してその物を視界の中心に捉える、
    というのも、
    レイアウトなら画面の右端っこから降ってきて、すぐに画面の中央にパンして物を捉える、
    と絵コンテを書く時に置き換えられます。


    お客さんが「登場人物の目線カメラ」で映像を見せられるときは、
    上記の視線心理レイアウトで人物の心理を察すると同時に、
    映像トリック的に飽きさせないようお客さん自体の視線が移りゆく人物の位置を追ってキョロキョロする、
    という点でダブルで効果があり、登場人物の心理を把握しつつ第三者として映像を楽しむ感じですね。



    ■レイアウトの基本的なやり方、考え方


    今回、映像において「画面が動く手法」での見せ方について考えている最中だったのですが、

    TU(トラックアップ)、TB(トラックバック)が「映像の距離振動」に属し(奥行き)、
    http://blog.yurikamomehouse.com/?eid=117

    人物に回りこむドリーカメラや背景動画が「映像の方向振動」に属す(人物の角度)、
    http://blog.yurikamomehouse.com/?eid=119

    と考えた時に、

    画面内での人物配置(位置)の移動であるパンはどこに属すか?と考えたらレイアウトに属すと感じたので、
    まずレイアウトについて見ておかなければと思った次第です。


    よってレイアウトの解法のまとめとしては、


    会話するときなら、会話する相手側への空間を空ける、3人目が次に話す時の視線の予告で空ける
    詳細→http://blog.yurikamomehouse.com/?eid=111
    という映像の基本がありました。
    相手との距離が離れているときにはより大きく空間を空ける、
    人物の物理的な距離や方向に応じて空間の空き具合を調整する
    というルールに統一すれば全編見やすい映像になると思います。


    画面での位置として考える時、
    前回の記事の上手下手というのも大きく絡んできますね。
    詳細→http://blog.yurikamomehouse.com/?eid=119
    人物が複数いるときにも上手下手を意識して画面内に人物を適切な位置に配置したり、
    人物の立場や状態や心理が考慮
    されます。

    ※前回記事の補足
    上手や下手は心臓の位置からの意味合いや今までの舞台や映画の刷り込まれた風習も含め存在するものですが、
    もし本来意味が逆だとしても、
    上手下手で人物のスタンスに合わせ配置(位置)を統一することで、
    見ている時の人物たちの関係性の違和感を与えることなく、「統一感」を出すのだと思います。
    スリッパの左右みたいなものです。左右反対にはいてしまうとなんか足に違和感がある、
    だけど毎回しっかり左右のスリッパを揃えて置いておけば足に違和感なくはいて過ごせる、
    といった感じです。


    ●レイアウトの考え方のポイント


    映像を物理的にスムーズにつなぐ点(視線誘導、距離)
    人物の状態や心理を表す点(上手下手、方向)

    という2点だけは意識して、

    まず大まかに映像的にスムーズにつなぎ、
    そこから人物の状態や心理を考慮して再配置する、

    というプロセスが効率的かと思われます。



    ■レイアウトの考え方、さらに深く


    ここで気になる点は、画面内の適切な位置への配置は出来たけど、
    人物の向く方向とはどう関係してくるのか
    、という点です。


    具体例をあげると、正義のヒーローが画面右端に配置され、→方向を向いているとしたら、
    正義のヒーローであるけど、敵の方向へ進まず逆に逃げていく感じで少し心が弱々しい状態、
    という心理を演出出来ますね。

    逆に、悪党が画面左端に配置され、←方向を向いているとしたら、
    悪党であるけど、正義を倒す方向へは進まず逃げていく感じで弱々しい状態、
    という心理の演出が出来上がります。

    もっと深い例だと、悪党が画面右端に配置され、→方向を向いているとしたら、
    悪党なんだけど根は優しくて、
    何かしらの理由で悪党になって正義のヒーローと戦っていて、
    ヒーローに大きな背中を向けている、とカッコいい感じになりませんか?



    また、正義のヒーローAが画面右端(←向き)に配置され、
    もっと強い正義の新ヒーローBが現れる時は
    パンで画面を右側にスライドさせて、
    画面右端(←向き)にその新ヒーローBが配置されます。
    ヒーローAは結果、画面左端に配置され下位者になったわけです。

    (これはあおり側にパンして上位ヒーローを登場させる、というピッチングの方でも使われる演出ですね。
    あおりとふかんではあおり側が上位者、ふかん側が下位者、と解釈すると良さそうです)


    登場人物の状態でも画面配置がコロコロ変わるときもあるようです。
    かつてすごい強かったヒーローAが画面左端に居て、今活躍するヒーローBが画面右端に配置されています。
    しかしヒーローAが気持ちを取り直してメキメキと強気になって敵に立ち向かう決心をその場でしたら、
    次のカットではヒーローAが画面右側に配置され、
    ヒーローBが画面左側に配置されるようなカメラポジションになったりします。


    画面右端に配置されていたずっと味方である登場人物が、
    あるカットから画面左端配置で→方向ばっかりになってきたら
    それは敵に変わるフラグだったりします。


    敵と味方がわかりやすく、昔から画作りをしっかりしてきているドラゴンボールを見ても、
    最近の超では第6宇宙のフリーザ(フロスト)が最初に正義の振る舞いをしてるシーンでは
    ほとんど右配置で←方向で、他のキャラ同士の会話でもまるで悟空のほうが敵のような空気にされていましたが、
    フリーザがズルをして悟空を倒して手を差し伸べるときから悪とバレた時まで、
    ガラリと逆転してほとんど左配置で→方向になっています。
    キャラの立場ごとや、そのカットでの会話などで動く心理ごと、
    ものすごい忠実に上手下手を守っているのが分かりました。
    また海外ではどうなのかという点で、
    先週見たパシフィック・リムでも上記のようなレイアウト、上手下手をしっかり付けてました。


    このように、
    登場人物の立場や心理の状態で意外とコロコロ変わったりする点を、
    レイアウト(人物の画面内配置や人物の向く方向)によって表現する
    わけですね。

    よって戦いの場面でなくとも、「その時の人物の心理」という点に着目すれば
    日常シーンでも同じ考え方と使い方が出来て、
    他にも例えば背景美術でフォーカスされた一つの垂れ下がるお花があるシーン、
    どんなシーンでもこれらレイアウトの方法が使える
    と考えられます。


    特に背景美術だけの物だけのレイアウトなども、
    大いに人物の心境、人物が見て感じてる世界を映し出すカットなので、
    そこも含めレイアウトは重要だと思います。



    ■まとめ


    映像演出ではパン以外にも、
    フォロー、フレームイン、フレームアウト、画面分割、画ブレ、ズームイン、ズームアウト、
    も2次元平面のレイアウトに属すような感じだったりと、
    画面の左右上下の情報の意味合いを強く持つものは心理的な部分に大きく作用するのがわかります。





    以下最近買ったレイアウトの内容も取り扱うデザインの本です。
    http://naruhodo-design.com/
    「なるほどデザイン」

    この本でもレイアウトについても見てみました。
    レイアウト以外にも細かいデザインノウハウが書かれていて、
    心地よい、売れる、という点で
    ウェブページや商品パッケージ、映像に関して強力なヒントになるかと思われます。


    この本にもあるように、レイアウトに意味なんてあるのだろうか?という点に関して。

    意味というものは最初に見た時は色々なふうに捉えられます。
    しかしレイアウトを統一していくことでそれが意味になっていく
    ルールになってフィットしていくのを感じていくのだと思います。


    自分は今までレイアウトは全くの自由の部類に感じてましたが、
    道のない山で人が同じルートを歩いていけばそのルートの土が道の形になっていく、
    というイメージに変わりました。


    レイアウトの色々な解釈や道はありますが、
    一つの自分の作品内でルールを統一をしていくことは見せる相手に説得し続け
    映像をわかりやすくするという点で大切ということですね。




    コメント
    コメントする








       
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック

    calendar

    S M T W T F S
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031   
    << January 2018 >>

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM