伴奏パターンについて考える

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    主に劇伴の伴奏パターンについての考察で、
    このシーンではこのフレーズを使う、このシーンではこの音源を使う、とかやろうとしてたんですけど…、
    全てのジャンルの曲を作ろうとしてもあまりにも無限にあるフレーズパターンとトラックや音色の組み合わせ、
    単純にこの世の全ての伴奏パターンを勉強してから作るとなると
    人生の内では到底実践出来ないと思った次第であります。
    かと言って無の状態や知識無しで挑み、ゴールや要点が見えないまま闇雲に
    作っていくのも実践的でも効率的でもなく、体系的なものがつかみにくいです。


    そこで曲完成の着地点を作るというか、頭の中にある狙った曲に持っていくための要点みたいなのを考えてみました。


    ・リズム
    ・フレーズの音程変化(コード進行とは別)
    ・音色


    基本的に伴奏フレーズ内においては上記3つが雰囲気を動かす要素としてあり、
    聴いている人に対しての印象や感情を決定すると思われます。
    ここでは「伴奏の3つの基本」と名付けます(自己流です)。
    他、音の強弱やテンポ、ソフト音源の質、ミックスなどでもっと深みが変わったりします。
    (コードをバッキングするのをメインとした考察で、和声や対位法などについては殆ど触れません)


    音楽自体はメロディー、ハーモニー、リズムという3要素が感情を決める最重要要素であり、
    例えばこの記事
    http://blog.yurikamomehouse.com/?eid=43
    のように同じメロディー(多少メロディーの音程を変える部分もあり)でも
    伴奏(ハーモニー)で様々な印象や感情に変わります。

    絵で言うキャラがメロディー、背景が伴奏に当たりますね。


    作品や商品としてレスポンスを大きく左右するのがキャラのデザインや造形ですが、
    情報量として背景の細かさ、あるいはスタイリッシュさなども大きく影響させて
    扇情的な作品を作るのならばどちらも集中力を割く時間をうまく配分しないといけません。
    先ほどから説明しているように今回は音楽での背景である伴奏について深く見ていきます。
    バンドの歌ものみたいに特定のフレーズを淡々とコードに合わせて弾くというのもあれば、
    メロディーや曲展開に合わせて一部的に出てくるSEやワンショットなどのワンフレーズ、
    リフ、カウンターリフ、フィルイン、キメなどメロディーに寄り添いながらつけるものまで
    様々な形があります。
    ここでの説明は主に特定のフレーズをコードに合わせて淡々と弾けるものを見ていきます。

     

    ●常に「理詰め」を意識して着地点へ持っていく


    まず人間という生物の仕組みから探っていく勢いで原因と結果、因果関係など構造や理由を理解して
    着地点へ詰めていくと説得力があって納得したものが出来やすいですね。


    ・リズム(行動)

     

    8分音符を4分音符や16分音符にしたりするのは「リズム」と考えています。
    これが心臓の鼓動や呼吸の速さとリンクするとして、映像でキャラが歩いたり走ったりとスピードなどに連動します。

    「行動があって感情が生まれる」という映像の原則から
    リズムを優先して作ってから「フレーズの音程変化」にとりかかって感情を操作するのが良さそうです。
    よってドラムとかは打ち込みの優先事項です。
     


    ・フレーズの音程変化(感情)

     

    例としてコード進行に合わせて、コードをアルペジオで滑らかで流れるように演奏するのと、
    コードをジャカジャカ4分音符などで規則正しく連打してバッキングするのとでは印象が全然違います。
    これが伴奏の3つの要素の「フレーズの音程変化」と考えています。
    前者のアルペジオはゆったりと穏やかな感じ、後者の連打バッキングは力強く安定な感じ、というように、
    雰囲気と感情が決まります。
    メロディーとコードに関しても、短三度で暗く、長三度で明るく、などといった感じになるように、
    伴奏はそのコードやノートの集合体なので、
    メロディーよりも情報量が多い伴奏ノートの音程の滑らかな運びががいかに気分の明暗を分けるかと言っても過言ではありません。
    キャラクターが穏やかな気分で川辺を歩くなら滑らかにつなぐアルペジオが良くて、
    マイナーコードを伴奏パターンで演奏するときも3rdのノートの飛びを少なめにするとかして明るさをコントロールしたり、
    ちょっと不安を抱いて歩いているならコードの構成ノートを同時発音か単音や2音だけで連打のバッキングをして
    鼓動の脈打ちみたく力強く、小節単位で連打されて安定でありながらもコード進行(感情に働きかける最重要要素)で
    音程を大きく上下させることで気分が明暗どっちにも転びやすい不安さになります。
    これにリズムの要素である音符の長さや数を変えて鼓動や呼吸を上げていけば感情の増幅度や高揚の具合も上がります。

     

    ・音色(環境)

     

    音色については、例えばその川辺のシーンが日本で自然風景にあふれる場所なら、
    エレクトロギターなどの電子楽器でバッキングよりも、
    馬の尻尾と木で作られたバイオリンでバッキングするほうが馴染みやすいように、
    映像の環境を見て音色を決定します。
    必ずしもエレクトロな楽器がダメではなくて、作品後半に勢いやエネルギーが欲しい場合に電子楽器を
    混ぜた劇伴にしていくと高揚感が出たりするので、それまで感情の起伏の貯めとしてとっておく感じですね。
    あるいは前半の一部に作品の後半までの予告として電子楽器で盛り上げますよという期待させる意味で
    入れるのも良いかもしれません。
    また作品がSFだったりロックなキャラが中心として描かれるシーンなら電子楽器が合ったり、
    切ないシーンや怖いシーンで明るい曲をつけたり明るい楽器の構成にしたりする
    いわゆる映像における対位法などがあったりと一概にこれだと断言は出来ません。


    また例えば伴奏でギターをバンジョーにした場合、どうしても西部劇というかカーボーイが浮かぶというか、
    和の要素が強いシーンではミスマッチ感が強いです。
    その土地の楽器でその音楽が生まれそれが過去の映画音楽にも場面に応じて使い分けられ
    印象が刷り込まれているからだと思います。
    しかしながら違う国の楽器や曲調を日本に当てはめても斬新でインパクトが出る効果はたくさんあるので、
    その組み合わせを試す部分に時間を割くのが良いですね。

    うまく見つかった斬新で心地よく新しい組み合わせ、というのをいかに大事な場面のためにストックしておくかが重要です。
    それが音色単位の組み合わせでも楽曲が一気にすごくなる可能性があるので、組み合わせにかける研究解析が鍵となってきます。


    ●組み合わせにかける時間

     

    この、「組み合わせにかける時間」が鍵と言っても良いかもしれません。
    伴奏パターンのトラックの組み合わせで脳内だけではどうしてもイメージしきれない場合、
    実際にノートを打ち込んで音色を決めて組み合わせて再生する、
    を繰り返して感覚をつかんでいくのが重要と実感しています。

    その組み合わせの試しに関しても、むやみにやるのは効率的ではありません。
    「伴奏の3つの基本」を意識しつつ、無から雰囲気作りを試していくのもいいですが
    あまりにも膨大なパターンが存在するので、
    今まで聴いてきた曲を思い返してあの曲のような雰囲気にしたいと思い返してはその曲を引っ張ってきて、
    伴奏解析などしてある程度参考にするのが一番狙った曲に最短で近づけて完成させていく方法だと思います。
    なのでたくさんの種類の曲を日々聴いて記憶にストックして定着させていくというのが大事かと思います。
    そして一度作ったらその伴奏フレーズの塊をアレンジデータとしてユーザーフレーズで貯めておくと(DAW:Ability)、
    次からの制作でイメージのラフを作る段階ですぐ伴奏フレーズを持ってこれて制作効率が上がります。

     


    どの種類のパターンをどのような組み合わせをしたらどのような印象や感情を生むかの理詰めや体系化・理論化も必要です。
    狙った効果を出すための組み合わせテストにかける時間も減らすことが出来ます。
    その理論に関してもできるだけシンプルなほうが良く、元素の周期表のような感じくらいにまとめたいですね。
    馴染みやすい楽器や音源たちの大雑把な分類、馴染みやすいフレーズパターン傾向、新しい音を生む組み合わせ、など、
    要素分解して各特性や傾向を知ると全ての楽器やパターンで試さなくて済みます。
    イオン化傾向ならぬ、伴奏パターン化傾向、まさに音楽の組み合わせの化学です。

     

     

    正直、とくにシンセの分野ではどの音を使ってるのかの特定や再現が難しいので、
    具体的に中を解析して組み合わせを再現していくのに骨が折れそうです…。
    よってシンセの音色を把握すること、頭の中で狙ってる音や参考曲のシンセに近い音を
    すぐ引っ張ってこれたり作れたりすること、
    というような楽曲制作の物量をこなしての下積み、シンセオタクになっていく必要があります。
    無料ならsynth1、有料ならomnisphereが良いのではないでしょうか。

     

    またより彩りを深めるために和声や対位法なども考えて伴奏フレーズを絡めていく必要がありそうですがまたの機会に。

     


    ・・・という感じで自分自身に言い聞かせつつ、考察したことを自分でも実践していこうかと思います^^;

     


    何というか、勉強してから作るのではなくて、
    時間のことを考えると仕事でいきなり新しいことをぶつけて納品するってのを繰り返す感覚ですね。

     

     


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